1.みさお酒
作詞:水木れいじ
作曲:水森英夫
あんたの形見の この盃に
三日月浮かべて また呑(の)んでます
おんな独(ひと)り身 二十年
思い切る気は 更(さら)にない
誓うなみだの エエンエ…みさお酒
あん時甘えて すがっていたら
旅などしないで いてくれたろか
我慢するんじゃなかったよ
あれが最後の 夜(よる)ならば……
さだめ哀しや エエンエ…みさお酒
あの日と同じに 黒髪結(ゆ)えば
似合うと言われた 口紅淋(くちべにさみ)し
誰に許せる この肌を
遠いあの世で 逢う日まで……
守り通して エエンエ…みさお酒
2.繁という名の縄のれん
作詞:水木れいじ
作曲:水森英夫
なさけ仲見世 雷門に
ちいさな居酒屋 出しました
ほめてください ねぇ…あんた
雪の夜空(そら)から 見えますか…
繁(しげ)という名の 縄のれん
三社祭りで 着させるはずの
浴衣(ゆかた)も泣いてる 片情(かたなさ)け
なんで死んだの ねぇ…あんた
酔えば 叱って くれそうで……
今日も深酒 裏通り
愚痴は言うまい 言問橋で
流して手向(たむ)ける 花桔梗(ききょう)
いつも一緒よ ねぇ…あんた
それが惚れたと いうことよ……
繁(しげ)と明日(あした)も ふたりづれ
3.お・ん・な
作詞:吉田旺
作曲:岡千秋
水に流した 恋傷(かこ)なのに
雨のにおいが みれんを揺(ゆ)する
ばかよばかでしょ ねぇ…お酒
ちょいと今夜は 傍(そば)にいて
いやになるほど… お・ん・な
あゝ おんなです
意地で通した 夢化粧
さむい素貌(すがお)は やっぱり演歌
嗤(わら)わないでよ ねぇ…お酒
見ないふりして ほしいのよ
のめばのむほど… お・ん・な
あゝ おんなです
酔って騒いで 唄っても
醒めりゃ迷い子 風街(かぜまち)酒場
ばかよばかでしょ ねぇ…お酒
いいの何にも 云わないで
いやになるほど… お・ん・な
あゝ おんなです
4.汽笛
作詞:荒木とよひさ
作曲:鈴木直哉
何十年(なんねん)ぶりだよな コップの冷や酒は
今なら財布 気にせずに
奢ってやれる この俺に
昔の上野は どこにもないが
昭和の路地の 吹き溜り
酒よ…酒よ… ひとりぼっちの汽笛だよ
工場(こうば)のかた隅の 汚れたアパートも
壊されビルが 立ち並び
ドブ板一枚(ひとつ) ないけれど
昔の上野は いい町だった
屋台を引いてた あのオヤジ
酒よ…酒よ… ひとりぼっちの汽笛だよ
心のふる里は 田舎のあの駅舎(えき)か
それとも母が 眠る土地
今では家も 他人(ひと)のもの
昔の上野は 瞼(まぶた)の裏の
涙が帰れる 始発駅
酒よ…酒よ… ひとりぼっちの汽笛だよ
5.鴎を売る女
作詞:荒木とよひさ
作曲:羽場仁志
鴎はいらんかい 可愛い鴎だよ
人の言葉も話すしさ
お酒だって飲めるしさ
新宿港に 船などないよ
あるのは人の 波ばかり
鴎… かもめ…
あたしの生んだ鴎だよ
鴎はいらんかい 慰め上手だよ
涙は食べてくれるしね
逃げたりなんかしないしね
新宿港に 落とした夢は
浮かんじゃこない なにひとつ
鴎… かもめ…
あたしの生んだ鴎だよ
鴎… かもめ…
あたしの生んだ鴎だよ
鴎… かもめ…
あたしの生んだ鴎だよ
6.若狭の女
作詞:水木れいじ
作曲:岡千秋
死ぬほど憎い あの人に
死ぬほど惚れた この身がつらい
放生(ほうぜ)祭りで 慣れ染めあって
情とかした 鮎川に…‥
燃えて散りゆく 深山の紅葉
わたし一途な 若狭の女
凍える指に 息かけて
恋文つづる 鵜の瀬の宿よ
杉の木立に カジカの声が
浅い眠りを また覚ます…‥
窓をあければ 舞い込む雪が
肌にせつない 若狭の女
しあわせなのに 泣けてくる
逢瀬の夜の 時計の速さ
月見障子を 背中でしめて
離さないでと すがりつく…‥
蘇洞門(そとも)嵐か 哭く波の花
淡く咲けない 若狭の女
7.ふたりの旅栞
作詞:荒木とよひさ
作曲:岡千秋
しあわせが見えますか…
汽車の窓から わたしのそばで
秋深い信濃路で もうひとつ人生を
あなたが選べば わたしもついてゆく
ふたりの…旅栞(たびしおり)
淋しくはないですか…
古い友だち 遠くになるわ
初雪の信濃路は 寒いけど綺麗でしょう
あなたの心に わたしも寄り添って
ふたりの…旅栞(たびしおり)
振りむきはしませんか…
今度生まれて また逢う日まで
春遅い信濃路へ 遠まわりしたけれど
あなたの夢なら わたしも嬉しいの
ふたりの…旅栞(たびしおり)
8.番屋
作詞:荒木とよひさ
作曲:浜圭介
漁師(おとこ)が番屋で 酒飲む晩(よる)は
胸の芯まで 凍りつく
達磨(だるま)ストーブ 燃(く)べても外は
割れる流氷 まだ吼える
枕かかえりゃ 女房の肌を
夢の中まで 抱きたがる
春はいつ来る いつ来る春は
ここは地の果て オホーツク
北の白夜よ… 北の白夜よ… 早(は)よ明けろ
焙(あぶ)った千魚(さかな)の 煙が染みりゃ
泣かぬつもりが 泣けてくる
裸電球が 心の灯り
影を呼び寄せ 酌させる
酔って眠れば 子供の顔が
涙みたいに 湧いてくる
春はいつ来る いつ来る春は
ここは地の果て オホーツク
北の白夜よ… 北の白夜よ… 早(は)よ明けろ
春はいつ来る いつ来る春は
ここは地の果て オホーツク
北の白夜よ… 北の白夜よ… 早(は)よ明けろ
9.日本の男
作詞:荒木とよひさ
作曲:岡千秋
銭(かね)じゃ買えない ものがある
人の情けと 人の意地
洗いざらしの 木綿を着ても
真竹(まだけ)一本 魂(こころ)に差した
日本の男が ここにいる
天に唾(つば)吐く 奴は奴
罰(ばち)の当らぬ 訳(わけ)はない
握り拳(こぶし)の 我慢の汗で
勝った負けたに 魂(こころ)は売らぬ
日本の男が ここにいる
花は桜だ 山は富士
それが男の 手本だよ
時代遅れと 笑われようと
大和(やまと)生まれの 魂(こころ)は曲げぬ
日本の男が ここにいる
10.雪簾
作詞:荒木とよひさ
作曲:岡千秋
赤ちょうちんが…
雪にちらちら ゆれている
ここは花園 裏通り
ひとりぼっちで 飲む酒は
遠い昔と かくれんぼ
今じゃ帰れぬ 故郷(ふるさと)が
胸のすき間で 見え隠れ
夢という奴ぁよ…
とうの昔に 捨てたけど
忘れられない 国訛(なま)り
こんな姿を おふくろが
生きていたなら 何歳(いくつ)やら
酔えば涙に なるものを
詫びる心に 積もる雪
根無し草にもよ…
好いて好かれた 女(ひと)がいた
畳ひと間の あの暮し
酒よ俺にも いいことが
ひとつふたつは あったけど
肩を細める 陸橋(ガード)下
春はいつ来る 雪簾(ゆきすだれ)
11.あかね雲
作詞:荒木とよひさ
作曲:岡千秋
まわり道でも この世にふたり
遠くに見えるの しあわせが
あなた待っててね ひとりぼっちはいやですよ
子供のように この手をつなぎ
道草しましょね あかね雲
いつも隣りを 歩いていてね
明日のむこうの 遠くまで
あなた待っててね ひとりぼっちはいやですよ
夕やけ小やけ ふたりを染めて
道草しましょね あかね雲
道の小石に つまずかないで
いつでもわたしが そばにいる
あなた待っててね ひとりぼっちはいやですよ
もう一度ふたり 生れてきても
道草しましょね あかね雲
12.浮雲ふたり
作詞:荒木とよひさ
作曲:岡千秋
浮雲みたいに このままふたり
流れて行けたら いいでしょうね
あなたの影を 踏まないように
わたしは心で 生きてる女
綺麗な愛だけ 信じます
小枝のつぼみは わたしの花ね
少しの陽だまり 下さいね
あなたの胸の 小さな庭で
わたしは心で 生きてる女
綺麗に咲く日を 信じます
遠くの浮雲 見つめるよりも
近くのわたしを 見つめてね
あなたのそばを 離れぬように
わたしは心で 生きてる女
綺麗な涙を 信じます
13.王将一代・小春しぐれ(浪曲歌謡編)
作詞:吉岡治
作曲:市川昭介
紅い灯青い灯通天閣の、此処は浪花の天王寺。
女房子どもを質入れしても、将棋さしたい阿呆なやつ。
貧乏手づまり千日手、それで惚れてついてゆく、小春、三吉の物語…。
苦労かぞえりゃ 八十一の
桝目に風吹く 路地裏長屋
いまは歩だって いつかはと金
駒を握れば 眸(め)が生きる
そんなあんたに 惚れてます
「小春、ほんまに死ぬ気やったんか?…
すまなんだ、わいはほんまに悪い亭主やった。
大阪の素人名人やらおだてられてのぼせていたんや。
もう今日から、一生将棋はささへん。
女房子どもにひもじいめさすようなこと、
金輪際しやへんあんた、つろうおっしゃろ。
あれだけ好きで好きでたまらん将棋をやめなはれ言うんが無理や…
おさしやす、おさしやす、
かましまへんがな。そのかわり、そのかわり、
さすからには日本一の将棋さしになって欲しい…
小春……わい、今日から命がけや!」
空を仰いだ三吉の、背に回ってそっと拭く、
頬の涙かはた露か、小春しぐれを誰が知ろ…。
女房子どもを 泣かせた罰(ばち)は
あの世でわたしが かわって受ける
さしてください 気のすむように
将棋極道 えやないの
そばに寄り添う 駒がいる
時は流れて幾星霜 天下に坂田の名があがる…。
「小春、わい勝ったで…すぐ大阪へ帰るさかい、
死になや、死になや、死んだらあかんで、小春!」
西の坂田に 東の関根
男の命を 茜に燃やす
たとえ負けよと 日本一の
あんたわたしの 王将と
小春三吉 めおと駒
14.男船
作詞:やしろよう
作曲:市川昭介
荒れて 荒れて牙むく北海しぶき
来るなら来てみろ 吠えてみろ
沖へ出たなら 自慢の船さ
意地と度胸は半端(はんぱ)じゃないぜ
命 命 命知らずの 男船
きっと きっと あの娘(こ)に海鳴り便り
届けておくれよ 渡り鳥
陸(おか)にゃ住めない さすらい船さ
未練きっぱり波間に捨てる
情 情 情乗せない 男船
網を 網を引く手に血潮がたぎる
根性ひとつが 宝だよ
辛さこらえる 我慢の船さ
ここが一番 男の勝負
夢は 夢は 夢は大漁の 男船
15.浪花そだち
作詞:たかたかし
作曲:市川昭介
雨にこぼれる露地裏あかり
酔ってあんたは 今夜も泣かす
苦労承知の恋だから
泣きはしないわ つくしてみせる
浪花そだちの 女です
酒を飲まなきゃいい人なのに
弱いあんたの 心がにくい
惚れているから叱るのよ
つらい涙は さらりと捨てる
浪花そだちの女です
たとえ貧しい部屋でもいいの
肩をよせあう くらしがあれば
どこで生きよと離れずに
ついてゆきたい 男の夢に
浪花そだちの女です
16.春夏秋冬屋形船
一寸(いっすん)先(さき)は 夕(ゆう)まぐ
れ
江戸(えど)の真(ま)ん中(なか) お台場(だ
いば)あたり
ユラリ揺(ゆ)られて 波(なみ)の上(うえ)
恋(こい)盗人(ぬすびと)(こいぬすっと)の
闇(やみ)の宴(うたげ)
夏(なつ)の終(お)わりの 屋形船(やかたぶ
ね)
水(みず)をすくった 浴衣(ゆかた)の君(き
み)の
後(おく)れ毛(げ)が ああ 風流(ふりゅう)
たね
乱(みだ)れる裾(すそ)は こむらさき
障子(しょうじ)をあければ 灯(あか)りが
揺(ゆ)れる
あなたが好(す)きと 気(き)づいてる
恋(こい)盗人(ぬすびと)の憎(にく)らしさ
今(いま)夜(よる)で二(に)度目(どめ)の屋
形船(やかたぶね)
ふくれるホッペに 手編(てあ)みの籠(か
ご)と
鈴虫(すずむし)のプレゼント
金(かね)杉橋(すぎはし)(かなすぎばし)は
雪化粧(ゆきげしょう)
「言葉(ことば)が白(しろ)い文字(もじ)に
なる」
粋(いき)な台詞(せりふ)のその後(ご)で
恋(こい)盗人(ぬすびと)がささやいた
冬(ふゆ)の真(ま)ん中(なか) 屋形船(やか
たぶね)
熱燗(あつかん)よりも あったかい
心(こころ)のマフラー あげようか
春(はる)待(ま)ち草(くさ)の 咲(さ)く丘(
おか)は
言(げん)問(とい)橋(きょう)から 隅田(す
だ)のあたり
船頭(せんどう)さんが 微笑(ほほえ)んだ
恋(こい)盗人(ぬすびと)も もうこれまで
よ
これが最後(さいご)の屋形船(やかたぶね
)
未練(みれん)残(のこ)すな 浮世(うきよ)
の恋(こい)に
ため息(いき)がああ 風流(ふうりゅう)だ
ね
17.人生夜汽車
作詞:荒木とよひさ
作曲:弦哲也
男には心の駅がある
ヒュルヒュル風吹く 駅がある
別れの汽笛 北国の町
裏町ギター 苦い水割り
今夜もどこかの居酒屋で
どこへ行こうか 人生夜汽車
男には心の女(ひと)がいる
ゆらゆら揺れてる 女がいる
長い黒髪 涙のしずく
想い出の道 はまなすの花
今夜もどこかの居酒屋で
どこへ行こうか 人生夜汽車
男には心に雪が降る
しんしん積もった 雪が降る
港の灯り 名もない横丁
淋しい演歌 かすれたネオン
今夜もどこかの居酒屋で
どこへ行こうか 人生夜汽車
18.酔歌
19.恋唄流し
作詞:荒木とよひさ
作曲:市川昭介
あんたは きっと 弱虫だから
ひとりの 心に 住めない人ね
私の涙に 恋唄流し
酔えば 泣き出す 未練酒
それでもさ それでもね
生きてたうちで 一番だった
帰っておいでよ 熱燗つけるから
いまごろ 雨の 居酒屋横丁
それとも 誰かの 心の港
想い出ばかりの 恋唄流し
独りぼっちの この部屋で
それでもさ それでもね
憎めはしない いい人だった
帰っておいでよ 鍋でもつくるから
どこかで 独(ひと)り 飲んでるならば
はぐれた雀に なってるならば
もう一度 聴かせて 恋唄流し
逢えば昔に すぐもどる
それでもさ それでもね
灯(あか)りをつけて 待っててあげる
帰っておいでよ 背中を流すから
20.釜山海峡
作詞:荒木とよひさ
作曲:浜圭介
指先に 夕日が沈む
烏賊釣岬の 九十九浜
あなた 素足に 砂が泣く
あなた 心がちぎれそう
もしも このまま 死んだなら
冬の蛍に なれるでしょうか
ああ…釜山海峡 あ…日本海
海鳥よ 愛しい人と
別れて暮すな はぐれるな
あなた 涙が止まらない
あなた 助けてもう一度
ひとり この世を 見捨てたら
白い蛍に なれるでしょうか
ああ…釜山海峡 あ…日本海
漁火が 未練をともす
心の奥まで 身体まで
あなた 返して 唇を
あなた 綺麗な あの頃を
生まれ 変われば この命
雪の蛍に なれるでしょうか
ああ…釜山海峡 あ…日本海
21.カモメお前なら
作詞:鳥井実
作曲:市川昭介
帰って来るとも 言わないで
船は桟橋 今出たばかり
あてにならない 倖せを
待っているのは もう嫌よ
カモメおしえて お前なら
どこへ 捨てます この涙
別れの運命が 来たんだと
船の汽笛が 尾を引くばかり
我慢出来ない 淋しさに
涙 ボロボロ 風に散る
カモメおしえて お前なら
どこへ 捨てます この未練
このまま 遠くへ 逃げるように
船は二人を 引き裂くばかり
背のびしながら 泣きながら
待っているのは もう嫌よ
カモメ おしえて お前なら
どこへ 捨てます この夢を
22.春の雨
作詞:たかたかし
作曲:市川昭介
あなたの重荷に なるからと
路地を小走り 傘で泣く女
春の雨 降りしきる
あきらめばかり 先にたつ
そんなおまえの 襟(えり)ぼくろ
なにも言わずに 黙ってついて来い
踏まれてきたのか 人の世に
肩の薄さに 匂う沈丁花(ちんちょうげ)
抱きよせりゃ ぬらす雨
おまえの過去は 俺の過去
かけてみないか もう一度
俺の明日に 女のしあわせを
ほんとに 私で いいですね
俺を見つめて すがる細い指
ばかだなぁ もうよせよ
おまえの他に 誰がいる
遅い春でも 春は春
生きてゆこうよ ふたりの人生を
23.瀬戸内情歌
作詞:たきのえいじ
作曲:桜田誠一
南 火の国よ 北 雪の国
ここは 瀬戸内 海ばかり
待ってください 背を向けないで
娘ざかりの 身がつらい
春は名ばかり 姫小島
出船入船よ 漁火あかり
恋の絵巻きの 薄化粧
染めてください 爪の先まで
涙しずくが 雨になる
春は名ばかり 水無瀬島
命 海鳴りよ 鳴くかもめどり
誰に想いを 告げて鳴く
抱いてください 燃え尽きるまで
夢であなたに逢えますか
春は名ばかり 大三島
24.城~男は黙って城になれ~
25.無我夢中
作詞:阿久悠
作曲:市川昭介
下駄をぬぎ 足袋をぬぎ
裸足の指を 傷つけて
追って行くのか 逃げるのか
女が駆けぬける
時雨が走る 風邪が舞う
霧がすっぽりつつみこむ
鬼火みたいな心を抱いて
たぶん 惚れるは 無我夢中
紅を拭き 髪乱し
キリリと眉を吊り上げて
抱かれたいのか 憎いのか
女が追いすがる
こだまが返る 山が泣く
杉の木立が ふるえ出す
蛍みたいないのちを賭けて
たぶん 惚れるは 無我夢中
時雨が走る 風邪が舞う
霧がすっぽりつつみこむ
鬼火みたいな心を抱いて
たぶん 惚れるは 無我夢中
26.連絡船恋唄
作詞:星野哲郎
作曲:市川昭介
あなたのいない 歌国の
巷は淋しい 片瀬波
きかせて下さい もういちど
疲れた女の 心を洗う
連絡船の あの唄を
あなたの歌の 足跡を
辿って津軽へ 着きました
及ばぬ夢とは 知りながら
桟橋離れる 連絡船を
流れの宿と 決めました
雪雲走る 海峡は
やっぱりあなたの 世界です
教えて下さい どうすれば
女の胸から したたる愛が
画けるでしょうか この海に
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